梅雨入りし、くもりがちの天気が続いておりますが、新潟では例年よりも
雨が少なく、空梅雨となっています。じめじめとした日が多くなり、気分的
にもすっきりとしない時期ですので、雲ひとつない晴天が待ち遠しいところ
です。コンサルタントの小山です。
さて、前回は早急に必要な相続手続きをご紹介いたしましたが、お客様か
ら質問されることが多い、「不動産や預貯金の相続手続きの期限」について
ご紹介します。
まず不動産に関してですが、現行法では期限の定めはありません。従って、
被相続人が死亡してから、いつまでに相続による所有権移転登記等をしなけ
ればならないということはありません。しかし、以前にご紹介しましたが、
「所有者不明土地」と呼ばれる相続手続きがされてなく、現在の所有者が不
明の土地が年々増加しており、九州に相当する面積が該当するという試算も
あるほどです。まだ、様々な案が出ている状況ですが、今後は相続登記の義
務化や期限の設定がされる可能性もあります。
次に、預貯金に関してですが、現行法では、銀行預金の消滅時効は商事債
権として5年、信用金庫・労働金庫などの消滅時効は商法の適用がなく民法
上の10年となっています。消滅時効は援用をしない限り、直ちに預貯金が
消滅するわけではありません。ほとんどの金融機関ではこれらの期間を経過
していても、相続人からの相続手続きの依頼で預貯金の支払いには応じてく
れるようです。
不動産や預貯金には、具体的な期限は定められていませんが、今後は変更
される可能性があります。また、相続手続きが2つ以上重なってくると(例
えば父と母の両方の相続)、相続手続きが複雑になる可能性が高くなります。
期限の有無に関わらず、準備が整い次第、相続手続きをされることをお勧め
します。
いばら司法書士・行政書士事務所 小山信人