「相続について最近思うこと」

   今年は降雪が多く、新潟県を含む北陸が大雪となっております。

  新潟市でも除雪された路肩の雪がなかなか融けず、歩行者は車道

  を歩かなければならないところもあります。今年は春の到来が、本

  当に待ち遠しいです。

   昨年末から年明けにかけて、相続手続きのご依頼を多く頂いてお

  ります。高齢化社会に伴い相続手続きが増えると予想され、また、

  前回ご紹介したように相続による所有権移転登記がされていない

  所有者不明土地が増えている現状があります。どなたにも、必ず相

  続は生じるものですが、経験されていない方には他人事のように感

  じられると思います。最近、様々な相続に関する書籍が発行されて

  おりますが、今回は、「相続について最近思うこと」についてお話し

  したいと思います。

   書籍によっては、「相続」が「争続」とならないように注意しましょう

  という趣旨のものが多く見受けられます。これは、相続財産をどの

  ように分けるかの相続人同士の話し合い(遺産分割協議)が、うま

  くいかない場合のことをいいいます。遺産分割協議の際には、各

  相続人の様々な考えや感情がぶつかり合い、冷静な話し合いが

  できず、感情の水かけ論だけで終わる可能性があります。そうな

  りますと、話し合いでは決着がつかず、最終的には裁判所の判決

  によって相続手続きを行うこととなります。

   上記のような事態を避けるために、私個人としまして、理想論で

  はありますが、下記の3点を挙げたいと思います。

   ①遺言書(できれば公正証書遺言をお勧めします)により、誰に

    何を相続させるかを明確にしておく。

   ②相続人同士の連絡先を日頃から確認し、連絡を取っておく。

   ③相続について普段から話し合いをし、相続人同士でも内容を

    把握しておく。

  「相続」が「争続」になるのは、相続人同士の意思疎通が普段から

  行われていない場合や、亡くなられた方の遺志が相続人にはっき

  りと伝わっていない場合が多いですので、普段からなんとなくでも

  話しをしていれば、「争続」は避けられると思います。

   司法書士・行政書士としまして遺言書の作成を除き、亡くなられ

  た後のご依頼がほとんどですので、上記のようなお話をする機会

  はあまりないのですが、遺産分割協議がうまくいかないというご

  相談があった際には、ふと感じることです。何事にも当てはまる

  ことだと思いますが、普段から心がけて行動していないと、いざ

  という時には考えているほどうまくいかないものです。

  いばら司法書士・行政書士事務所
  コンサルタント 小山信人